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投資は短期?長期?それぞれの特徴を解説

投資は短期?長期?それぞれの特徴を解説

投資期間は投資戦略に大きな影響がある要因です。短期投資をするか、長期投資をするかで迷っている人も多いでしょう。

投資は投資期間によってリスクもリターンも大きく変わります。この記事では短期投資と長期投資の特徴を詳しくまとめました。今後、投資をしていく上でどちらが自分に合っているのかをよく考えてみましょう。

投資における投資期間の重要性

投資戦略を考えるときは投資期間を決めることが大切です。短期投資と長期投資の特徴を深く掘り下げる前に、まずは投資期間の重要性を確認しておきましょう。

目標によって投資期間が決まる

投資では目標を立てて運用するのが基本です。定年退職するまでに余剰資産を1.2倍に増やしたい、5年後にマイホームを買いたいから投資で資産を100万円くらい増やしておきたいといった目標が典型的です。投資期間と必要金額の組み合わせによって具体的な投資目標を立てられます。

具体的な数字は決まっていなかったとしても、投資によって得た資金の使用目的が決まっていれば、いつ頃、いくらくらい欲しいのかはイメージできるでしょう。その時期に合わせて投資期間を設定し、必要金額を手に入れるための投資戦略を考える必要があります。

投資期間によって適切な投資商品が異なる

投資期間が違うと投資商品の選択肢が変わります。例えば、不動産投資は最初にマンションやアパートを購入して賃貸経営による運用し、家賃収入を得る方法です。

数年~数十年の投資期間を経て、不動産を売却することにより最終的に利益を確定します。長期投資を通して大きな資産形成をするときに適しています。家賃収入によるインカムゲインがあるので、不動産投資では毎月少しずつ利益を得たい人にも向いている投資です。

一方、FXでは基本的には投資期間が短く、スキャルピング取引と呼ばれる数秒単位の取引もおこなわれています。長期取引ではロスカットによって強制的に決済されてしまうといった問題が起こり得るため、短期投資に適している投資方法です。

投資期間が資産運用の負担を変える

投資期間によって資産運用にかかる労力や費用の負担が変わります。短期投資で大きな資産を築きたいときには大きな金額の投資資金がないと困難です。

10万円で買った株式が1週間後に15万円になったら5万円の利益ですが、100万円買っていたら50万円の利益になります。しかし、1年後に株価が60万円になっていたとしたら、10万円の資金で50万円の利益をえることが可能です。

また、投資期間として5年くらいを考えて株式投資をしている場合には、毎日、一日中株価を確認していなくても良いと思えるでしょう。しかし、1週間後には利益を確定したいと思っていると、丸一日株価チャートを見続ける日々になりがちです。

投資期間が長いほど心理的な負担が小さくなり、資産運用の労力負担を軽減することができます。

投資期間の分け方

投資は期間に応じて短期投資と長期投資に分けて考えるのが一般的です。近年では中間に位置する中期投資という概念もあります。投資期間がどのくらいの長さになると長期投資になるのでしょうか。

一般的な分け方
短期投資

数秒、数分、数日

長期投資

数年

実は短期投資や長期投資の期間は定義されているわけではありません。数秒、数分、数日といった単位の投資は短期投資と言われます。数年になると長期投資と呼ばれるのが一般的です。

数十日~1年くらいの投資期間の場合には、投資商品の性質や投資家の考え方によって呼び方が異なります。投資の種類によって取引の時間感覚が違うのが大きな原因です。

株式投資では数週間くらいまでは短期投資、数ヶ月、1年、2年程度なら中期投資、数年以上になると長期投資と言われる傾向があります。しかし、FXでは考え方が広く、1週間くらいから長期投資と呼ぶ人もいます。

株式投資における短期・中期・長期の考え方が投資では一般的に用いられていますが、文脈によって期間が違うことがあるので気を付けましょう。

短期投資の特徴

短期投資は長期保有をせずに短い期間で売買をして利益確定・損切りをする投資方法です。
短期投資の特徴をまずは見ていきましょう。

短い期間で利益や損失が確定する

短期投資は数時間、数日といった短い期間で取引が終わります。すぐに利益や損失が確定して、次の投資に気持ちを切り替えられるのが特徴です。

資金状況を現金で把握しやすいので、投資に使える金額と貯蓄にすべき金額を把握しやすいでしょう。

売買のタイミングで損益が大きく変動する

短期投資では売買が確定するタイミングで損益が左右されます。
例えば、FXで数秒単位の取引をしているときには利益確定の注文を出したのに、約定されなくてもう一度注文しなければならないこともあります。その数秒~数十秒の間に価格が変動してしまってタイミングを逃すリスクがあるのが特徴です。

逆に瞬間的に価格が高騰した瞬間を狙って売ることで大きな利益を生み出せる可能性もあるため、ハイリスクハイリターンの投資になります。

現状の分析によって戦略を立てられる

短期投資は現状の政治・経済・金融などの投資にかかわる要素を分析すれば戦略を立てられます。

投資期間によってどのくらい将来まで考える必要があるかは違いますが、10年後のような先のことは考えずに投資方法を決められるのが特徴です。

売買手数料の負担が大きい

短期投資では売買の回数が多くなるため、売買手数料がかかる投資では手数料負担が大きくなるのがデメリットです。

手数料分も利益を得られるように運用しなければならないプレッシャーがあります。

投資にかける時間が長くなる

短期投資では売買のタイミングを見極めるために時間をかけることが必要です。

長期投資とは違って、相場の状況や社会の情勢について情報を集めて分析し、投資判断をしなければならない時間が長くなります。投資負担を減らしたい人にとっては大きな課題です。

長期投資の特徴

長期投資は投資をしたらじっくりと時間をかけて利益を増やすことを目指す投資方法です。
長期投資には以下のような特徴があります。

持続的に成長する投資先を選ぶと資産形成をしやすい

長期投資は持続的に価値が伸びていくと考えられる投資先を選び出すことで、長期的に安定した資産形成ができます。

10年後に資産を増やしたいというときには、10年後に価値が伸びている資産を選ぶという形で投資期間に合わせた選び方をしやすいのが特徴です。

積立投資をして買うタイミングを平均化できる

長期投資では積立投資によってドルコスト平均法によるリスク分散が可能です。

ドルコスト平均法
ドルコスト平均法のイメージ

今買うか、明日買うか、来月買うかといった悩みが生じることは投資でよくある悩みです。一定期間ごとに一定額で投資をすると、平均的な金額での投資ができます。

短期投資ではできないリスク低減の方法です。

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インカムゲインによる収益を確保しやすい

長期投資では資産によってはインカムゲインを得やすくなります。不動産投資の家賃収入や株式投資の配当金が代表例です。

インカムゲインとは

株式や債券などの資産を保有していることで得られる利益のことを言います。

ただ、インカムゲインは必ずしも得られるわけではない点にも注意が必要です。不動産投資で空室ばかりになるとインカムゲインはマイナスになります。

株式投資でも業績が悪いと配当金がないこともあるので投資先の選び方が重要です。

投資できる対象の種類が多い

長期投資に適している対象は多いので、豊富な選択肢から投資目標に合うものを選びやすいでしょう。

株式投資、債券投資、投資信託、金投資、不動産投資などのさまざまな投資方法があります。

リスクを減らすために複数の投資を組み合わせることもできるため、安全性の高い運用が可能です。

すぐに利益確定ができることは少ない

長期投資は利益確定までに時間がかかります。一般的には年単位での運用を想定する投資だからです。

投資できる期間が短い場合には長期投資を意識せず、短期運用による投資を考えた方が良いでしょう。

先行きを考えた資産の分配が必要になる

長期投資では社会や経済の変化によって資産価値の大きな変動が起こるリスクを考えて、目的に合わせた資産に分配する必要性があります。

期待できる投資先を選んで集中投資するか、多数の投資先に分散投資してリスクを減らすかと検討することが必要です。

金投資と投資期間の関係

短期投資にも長期投資にも特徴があり、投資の目的に合わせた選び方が必要です。金投資はどの程度の投資期間を考えている人に適しているのでしょうか。

金は長期投資に向いている商品

金は長期投資に向いています。金は普遍的な価値を持っていて、長期的には相場が上がってきているからです。

過去20年の日本円に対する金の価格も9倍くらい上がってきました。長期投資をすれば資産形成ができると信頼できる資産です。

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金で短期投資をするときのコツ

金は短期的には大きな価格変動を起こします。大きな資産を持つ投資家がリスクヘッジ資産として金を運用していることが多いからです。

通貨価値が下がるときには金の価値が上がり、通貨価値が上がるときには金の価値は下がります。この性質を理解していると金は短期投資でも運用が可能です。

金融緩和のようにデフレになるような金融政策が取られたときには、通貨価値が下がって金の価値が上がると考えられます。多くの投資家は各国の政治家や銀行の総裁の発言を聞いたり、政治経済の状況から発表内容を予測したりして売買をしています。

そのため、金融政策決定会合などの大きな変動が起こり得るタイミングを狙えば金での短期投資で利益を得ることが可能です。

まとめ

投資は目標を定めて投資期間を決めるのが大切です。短期投資も長期投資も一方が優れているわけではなく、目標に合いやすいかどうかが異なるだけです。

短期投資を継続すれば長期的な資産形成も可能ですが、長期投資に比べると運用にかかる費用や労力が大きくなります。将来に必要な資産の形成では、期間を定めて長期投資を考えた方が良いでしょう。

金は長期投資に向いていて、短期投資にも応用できる資産です。通貨のリスクヘッジ資産としても有用なので、金投資をうまく活用していきましょう。