北辰物産株式会社とは

北辰物産株式会社とは

北辰物産株式会社は1964年に設立した金などの商品の金融取引を取り扱っています。

日本証券業協会に加盟していて、オンライン取引を中心としたサービスを提供しています。

金投資をするときには北辰物産株式会社を利用できますが、どのような金投資ができるのでしょうか。

北辰物産株式会社の特徴や取引方法について詳しく紹介するので参考にしてください。

北辰物産株式会社の特徴

北辰物産株式会社は金を実物資産として取り扱っていますが、金属メーカーのように自社で金の融解をして地金を製造しているわけではありません。

金の専門業者でもなく、主にデリバティブ取引を取り扱っている証券取引業者です。

ここでは北辰物産株式会社でできる金取引の特徴とサービスについて紹介します。

500グラム以上の金地金の売買に対応

北辰物産株式会社では500グラム・1キログラムの金地金の売買ができます。

大阪取引所指定受渡供用ブランドまたはLBMA認定ブランドの純度99.99%以上の品位の金を購入可能です。

LBMA認定ブランド

ブランドを指定することはできませんが、その代わりに大手ブランドの小売価格よりも販売価格の水準が低いのが特徴です。

北辰物産株式会社でも一般的な地金商と同様に、同社で購入した金地金のみが売却の対象になります。

500グラム以上の購入が必要なので400万円程度は資金が必要ですが、比較的低価格で購入できるのは北辰物産株式会社のメリットでしょう。

商品先物取引・金オプション取引が主力サービス

北辰物産株式会社では金地金の販売・買取よりも金投資のサービスとして先物取引が主力のサービスになっています。

金先物取引はある期日に金を受け取る・手放すことを約束して、現在の価格で購入・売却をする取引です。

期日になるまでは金の実物を手に入れることはできません。しかし、金の価格が安い時期に買って、期日前に売れば差額を利益にすることができます。

実際にはスプレッドによって購入価格が売却価格よりも高くなっていたり、手数料がかかったりするので簡単に利益を出せるわけではありません。

しかし、それでも期日になれば金の実物を入手することが可能です。

また、北辰物産株式会社では金オプション取引にも力を注いでいます。

金オプション取引はある期日に金を買う権利または売る権利を売買することを約束して、現在の価格で取引をする方法です。

商品先物取引と金オプション取引の違いはここでは割愛しますが、どちらも証拠金を用いる取引です。

D-stationを中心とするツールが豊富

北辰物産株式会社ではD-Stationを中心としてツールが豊富に用意されているのが特徴です。

金先物取引や金オプション取引をする場合にはD-Stationの利用が必要になります。

D-station

D-Stationはパソコンやタブレットで利用できるWEB版のトレードツールです。

売買の注文や資金状況の確認だけでなく、金相場チャートの表示やインジケーターによるテクニカル分析もできます。

Windowsパソコン限定で高機能ツールD-Station Prestoも用意されていて、プログラムをして自動発注をするなどの高度な取引が可能です。

スマートフォン用にはD-touchが用意されていて、Prestoに勝るとも劣らない高機能の取引に対応しています。

さらに、携帯電話で使えるD-mobileや相場情報分析医ツールのDIASもあり、高度な分析をいつでもどこでもおこなえるのが魅力です。

少額の受渡し手数料で現物を手に入れることが可能

北辰物産株式会社では金先物取引で手に入れた金を送付してもらうことができます。

買取業者への請求金額
受渡し手数料 5,500円 出庫料 330円/枚 保管料 金価格で異なる

送料相場が比較的低く、1キログラムあたり5,500円で対応してもらえるのが特徴です。

金先物取引では金現物を受け取らずに倉荷証券として手に入れることも可能です。

この場合には北辰物産株式会社に預託することになり、1枚あたり330円の出庫料・保管料がかかります。

ヘビーローテーション割引などのサービスがお得

北辰物産株式会社では商品先物取引を快適に利用できるようにサービスを充実させています。

例えば、ヘビーローテーション割引はセルフコースの取引をしたときに、月間で合計1,000枚以上の取引をした場合に翌月一ヶ月間の手数料が割引になります。

ヘビーローテーション割引

標準銘柄であれば日計り片道1枚あたり5.5円、オーバーナイト片道1枚あたり5円も割引になるのでお得です。

他にもプレミアムオンライン取引では専属商品アナリストによるサポートを受けられるサービスもあるなど、独自性の高い特典が充実しているのが北辰物産株式会社の特徴です。

取引方法

北辰物産株式会社では金地金の売買か金先物取引かによって取引の始め方もやり方も異なります。

ここでは金地金の購入・売却の方法と金先物取引の口座開設方法をまとめました。

金先物取引で選べる2つのコースについても解説するので参考にしてください。

金地金の購入・売却

金地金の購入・売却は電話を通しておこないます。

どちらの場合にもフリーダイヤルに電話押して手続きを進めることになり、平日の8:30~17:30に対応してもらうことが可能です。

購入方法

金の購入では北辰物産株式会社に電話をすると手続きについての詳細を説明してもらえます。

  • STEP1
    申込書を郵送
    申込書を受け取って記入し、本人確認種類のコピーを指定された住所に郵送します。
  • STEP2
    手付金を計算
    続いて、購入予定の金の数量に応じて、総代金に相当する手付金を計算します。
  • STEP3
    指定された銀行口座に入金
    そして、北辰物産株式会社から指定された銀行口座に手付金を振り込むことが申し込みに必要です。
  • STEP4
    金の購入
    手付金を振り込んだ後、営業日の9:30~15:00の間に購入の注文連絡をすれば金を買えます。

北辰物産株式会社での購入価格は以下の通りです。

購入価格=(大阪取引所の金先物当限価格+60円)+消費税

手付金よりも購入価格が高い場合には翌営業日までに追加金の支払いが必要です。手付金を過剰に支払っていた場合には残金を翌営業日までに返金してもらえます。

入金手続きが完了したら北辰物産株式会社の店頭で受取が可能です。配送を利用する場合には送料や保険料などは自己負担で、着払いで送付してもらえます。

売却方法

金の売却では電話連絡をしたときに手続きの流れを説明してもらえます。

  • STEP1
    必要書類の返送
    申込書を受け取って必要事項を書き、本人確認書類・売却代金の振込先の金融機関口座・マイナンバーのわかる書類の3点を合わせて返送します。
  • STEP2
    金地金の引き渡し
    次に北辰物産株式会社に金地金を引き渡します。

    店頭で引き渡す方法と保険を付けた宅配便や郵便などで北辰物産株式会社に送付する方法から選ぶことが可能です。

    送料や保険料は自己負担になります。
  • STEP3
    売却の注文
    北辰物産株式会社に金地金が到着した後、営業日の9:30~15:00の間に売却の注文をすれば手続きは完了です。

北辰物産株式会社の売却価格は以下の通りです。

売却価格=(大阪取引所の金先物当限価格-60円)+消費税

売却代金は指定した金融機関口座に振り込んでもらえます。

ただし、売買明細書の郵送料、金融機関への振込手数料などは自己負担になり、売却代金から差し引かれます。

金先物取引の口座開設方法

金先物取引で売買をするには口座開設が必要です。パソコンまたはスマートフォンからの口座開設に対応しています。

北辰物産株式会社の公式サイトの「口座開設」ボタンをクリックした後、個人・法人、セルフコース・プレミアムオンライン取引を選びます。

取引コースの選択

そして、氏名や生年月日、住所などの情報入力をして送信しましょう。オンラインでの申し込み手続きを終えたら、本人確認書類を送付します。

そして、北辰物産株式会社による審査が通ったら、D-StationのログインIDとパスワードが本人限定受取郵便(個人)または転送不要の簡易書留(法人)で送付されます。

セルフコース

セルフコースは自分自身で判断して先物取引をしていきたい人のためのサービスです。

売買手数料が安くなっているのが特徴で、金ミニ先物取引なら33円、標準銘柄でも148.5円で日計り取引ができます。オーバーナイトの場合でも金ミニ取引で81円、標準銘柄で345円です。

日計り取引の手数料
金ミニ先物取引 33円 標準銘柄 148.5円
オーバーナイトの手数料
金ミニ取引 81円 標準銘柄 345円

標準銘柄の日ばかり取引では手数料が200円前後かかることが多いので、北辰物産株式会社のセルフコースは安くて売買しやすいと言えるでしょう。

なお、セルフコースでも取引とは直接関係がない問い合わせにはサポートが対応していて、ツールの利用トラブルの対策方法などは聞くことが可能です。

プレミアムオンライン取引

プレミアムオンライン取引では投資顧問契約に基づいて、商品アナリストによる取引方法や相場情報についての電話対応をしてもらえるのが特徴です。

プロによる投資助言を受けながら金先物取引をしたい人に向いています。

日計り取引の手数料
金ミニ先物取引 193.5円 標準銘柄 387円
オーバーナイトの手数料
金ミニ取引 990円 標準銘柄 1,980円

ただし、手数料は高くなっていて、日計り取引では金ミニ取引が193.5円、オーバーナイト取引で387円です。

標準銘柄では金ミニ取引が990円、オーバーナイト取引で1,980円になっています。

入金方法

北辰物産株式会社で商品先物取引をするときには証拠金の入金が必要です。

入金方法は2通りあるので、それぞれの特徴を確認しておきましょう。

クイック入金

クイック入金は北辰物産株式会社が提携しているインターネットバンキングから24時間、手数料無料で即時入金できるサービスです。

クイック入金ではD-Stationからオンライン完結で入金できます。クイック入金に対応している銀行は以下の通りです。

クイック入金対応銀行

  • 三菱UFJ銀行
  • 三井住友銀行
  • みずほ銀行
  • 楽天銀行
  • PayPay銀行
  • 住信SBIネット銀行
  • ゆうちょ銀行
  • りそな銀行
  • 埼玉りそな銀行

振込入金

振込入金は北辰物産株式会社が提携していない金融機関やATMなどから入金できる方法です。

D-Stationから入金を申し込んだ後、ATMなどで入金手続きをして、最後にD-Stationで入金通知を送るという手続きが必要になります。

振込手数料は自己負担で、入金確認がおこなわれるのは平日8:00~翌朝6:00になっています。

出金方法

北辰物産株式会社での商品先物取引に必要な証拠金は出金することもできます。

北辰物産株式会社ではD-Stationから出金依頼を出すことが可能です。

出金以来の内容が確認された後、よく営業日に送金手続きが進められるという送金スケジュールになっています。

出金にかかる振込手数料は北辰物産株式会社が負担してくれるので出金手数料は無料です。

注意点

北辰物産株式会社で金先物取引をするときには注意点があります。

証拠金と税金についての意識が必要なので、留意した方が良い点を紹介します。

証拠金について

金先物取引で金投資をするには取引証拠金が必要になります。

先物取引は証拠金をあらかじめ預託しておき、商品取引が成立する期日に利益・損失の金額に応じて証拠金に加算あるいは減算されるという仕組みで運営されています。

北辰物産株式会社を利用する際には委託者証拠金として基本証拠金と両建証拠金を用意することが必要です。

証拠金 内容
基本証拠金

JSCCが定める取引証拠金所要額と定めています。

両建証拠金

買い注文と売り注文を同じ期間内におこなったときに必要になる証拠金です。

取引の結果によっては証拠金が不足してしまう場合があります。証拠金が不足した場合には翌営業日の11:00までに入金することが必要です。

税金について

金先物取引で利益が得られた場合には確定申告をして所得税と住民税を納めなければなりません。

年間の通算利益に対して申告分離課税による課税になります。所得税が15%、住民税が5%なので、合計すると20%の税率です。

利益が得られた場合の税金
所得税 15% + 住民税 5% = 合計税率 20%

なお、金先物取引の利益や損失は株式や投資信託などとの損益通算はできません。

国内の有価証券先物取引や金利先物取引、店頭商品デリバティブ取引などは損益通算の対象になります。

経費を計上することは可能ですが、金先物取引を事業としておこなっているかどうかによって計上できる項目には違いがあります。

委託手数料や委託手数料にかかる消費税については経費にできますが、他の項目については個別に税務署に確認した方が良いでしょう。

まとめ

北辰物産株式会社は金地金の販売・買取もおこなっていますが、最も力を注いでいるのは金先物取引です。

金先物取引は証拠金を必要とする取引なので売買の結果によっては証拠金以上の損失が出るリスクがあります。

ただ、積極的に金相場チャートを分析して、安いときに買い、高いときに売る運用をして利益を出したい人には向いているでしょう。

金地金の売買に比べると金先物取引はリスクが高いのは確かなので注意が必要です。

北辰物産株式会社では金地金の売買も取り扱っています。金地金の売買は売買手数料がかからず、取引方法も複雑ではないので初心者でも気軽に始められます。

まとまった資金があるなら北辰物産株式会社の金地金の売買も検討してみましょう。