金投資は資産運用の方法として注目を浴びるようになりました。
老後資金を安全な形で確保しておきたい、現金の資産のリスクヘッジをしたいなどといったいろいろなニーズに応えてくれるのが金投資を検討する人が増えている理由です。
ただ、金投資にはメリットもデメリットもあるので、ベストな資産運用の方法になるかどうかは人によって違います。
この記事では金投資のメリット・デメリットをわかりやすくまとめました。金投資によく用いられている方法の概要も紹介するので、金投資が自分に合うかどうかをぜひ考えてみてください。
Contents
金投資をする際にはまず金の基礎知識を持っておいた方が良いでしょう。
金とは貴金属の一つで、プラチナや銀などと同様に希少性がある金属として高い価値を持っています。金色に輝く美しさに価値を感じるのは普遍的で、紀元前から現在に至るまで金はずっと価値があるものとして認識されています。
金は地球上に存在する量が限られているため、希少性も高い貴金属です。
希少性が高くなればなるほど価値が上がるので、金を資産として保有したいと考える人が多くなっています。
また、金は実物資産で円やドルなどの貨幣と違って資産そのものに価値があるのが特徴です。世界的に金は高い価値があると認められているため、安定した資産価値を保ち続けます。
国の動向によって価値が大きく変動する貨幣に比べて金は安全性の高い資産です。
金投資にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
金の特徴を踏まえて、投資価値について詳しく見ていきましょう。
金投資は投資方法のバラエティーが豊富なのがメリットです。
金の投資方法 | ||
---|---|---|
金地金の売買 | 金貨の売買 | 純金積み立て |
投資信託 | ETF | 金先物取引 |
金CFD取引 |
金地金の売買による投資が最もよく知られています。地金だけでなく金貨の売買をして投資をすることも可能です。
また、金の取り扱い業者に依頼すれば純金積み立てによって少しずつ金資産を増やしていくこともできます。
この他にも金投資には投資信託やETF、金先物取引や金CFD取引などのさまざまな選択肢があります。
それぞれの特性を生かして分散投資をすることもできるので、投資のポートフォリオに組み込むメリットは大きいでしょう。
金投資の魅力は資産価値が伸びると期待できることです。金の価格は短期的には大きく上がったり下がったりしています。
しかし、長期的に見ると安定して価格が上がっているため、金を保有し続ければ資産価値が伸びると考えられます。
金は毎年、各国で産出されていますが、埋蔵量は限られているので大量生産をすることはできません。金の産出量が減ると希少価値が高まり、さらに金の価格は上がります。
これまでの歴史を考えても希少性の影響によって価値が伸びているのは明らかです。長期的に運用すれば資産を増やせる可能性が高いのが金投資のメリットです。
金投資は少額から始められます。
投資方法 | 目安資産 |
---|---|
金地金 |
10万円程度 |
プール共有型金商品 |
1万円程度 |
純金積み立て |
毎月1,000円くらい |
金地金は10グラムくらいから購入できるので、10万円程度の資産があれば運用を始めることが可能です。
プール共有型金商品であれば1万円程度から金投資を始められます。
純金積み立てなら毎月1,000円くらいからできるので、気軽に金投資を始められるでしょう。
金投資の方法によって必要な資金額には違いがありますが、少額資産でも金投資を始められるのはメリットです。
金はリスクヘッジ資産になるのがメリットです。価値が現金の資産とは相補的な関係になることが多いからです。
物価が高騰したときにはモノに対して相対的に現金の価値が下がります。しかし、モノの一つである金は価値が上がるので、物価高騰時のリスクヘッジになります。
物価の高騰と金価格の関係 | |
---|---|
物価 | 金価格 |
また、金は有事のときに価値が上がる傾向があります。紛争やテロ、パンデミックや自然災害などによる有事には現金の価値が下がるリスクがあるので他の資産に逃がすのが一般的です。
安定資産の金は資産の逃がし先として人気が高いため、有事には価格が上がります。リスクヘッジの資産として金を保有していれば資産のトータルの価値を維持させられます。
リスクヘッジは投資によって損失を出さないようにする基本なので、金投資をするのはおすすめです。
金投資はキャピタルゲインを狙えます。金の価値は日々変動していて、長期的に見れば上昇する傾向があります。
金が安いタイミングで購入し、高くなったときに売れば差額をキャピタルゲインとして獲得できるのが魅力です。
金相場を細かく分析すると、一時的に安くなったタイミングや高くなったタイミングを狙って売買することもできます。
キャピタルゲインの獲得は投資の魅力として人気があるので、金投資でキャピタルゲインを狙うのも醍醐味があります。
金投資にはデメリットもあるので注意が必要です。金投資は選択肢がたくさんあるので、どの方法で投資をするかによってデメリットにも違いがあります。
ここでは金投資の一般的なデメリットを解説するので参考にしてください。
金投資のデメリット
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金投資は元本保証ではないのがデメリットです。
銀行預金や債券投資のように元本保証の資産運用の方法もあります。
金投資では金の相場によって資産価値が左右されるため、購入時点よりも売却時点の金相場が低かったら元本割れになります。
長期的には金の相場は上がる傾向があるとはいえ、短期的には大幅に下がるときもあるので注意が必要です。
金相場が下がったときにどうしても現金が必要になってしまい、金を売らなければならなくなったら損失になるでしょう。
元本割れのリスクがあることは金投資をするときに理解しておかなければならない点です。
金投資にはインカムゲインがないのがデメリットです。
インカムゲインは資産を保有しているだけで手に入れられる利益を指します。例えば、銀行預金をしているときには利子が付くのでインカムゲインを得られます。
資産保有方法 | インカムゲイン |
---|---|
銀行預金 |
利子 |
株式投資 |
配当金 |
不動産投資 |
家賃収入 |
金投資 |
なし |
株式投資では企業から株主に配当金が出されるのが一般的で、業績が良いときには大きな配当金を手に入れることが可能です。不動産投資では家賃収入によるインカムゲインがあります。
しかし、金は実物資産なので、持っていても特に利益を生み出せるわけではありません。金投資ではキャピタルゲインにこだわらなければ資産を増やせないので注意しましょう。
金投資を日本円建てでおこなうときには為替の影響を受けます。金の世界的な相場価格は米ドル建てで決まっているからです。
日本円で金投資をするときには米ドル円の為替レートを意識して売買のタイミングを考える必要があります。
金の世界相場が上がっていたとしても、大きな円安になってしまってドルが高くなると日本円に対する金の相場は下がる場合もあるので注意が必要です。
金投資では金の相場価格だけを見ていれば良いというわけではないのが大変な点です。
為替レートは日本とアメリカの政治や経済などの動向によって大きく変化します。金投資は為替リスクがあると認識した上で取り組むのが大切です。
金相場は急騰も急落もあまり起こりません。
キャピタルゲインを狙って投資をするときには短期投資で大きな相場の急変を生かして利益を生み出したいという人も多いでしょう。
株式投資やFXでよくおこなわれている投資方法で、数分~1日程度の投資で資産を数倍や数十倍に膨らませるチャンスがあります。逆に資産がほぼゼロになってしまうリスクもあるので、ハイリスクハイリターンの投資です。
ただ、投資の目的が余剰資金を短期間で増やすことなら、金投資では難しいのは事実です。
金相場は比較的安定性が高く、急変が起こることはあまりないと理解した上で金投資に取り組みましょう。
金投資では手数料が高いことがあるのがデメリットです。金投資にはいろいろな方法があるので一概に手数料が高いとは言えませんが、手数料負担分を取り返すのが難しい場合もあります。
投資方法 | 手数料目安 |
---|---|
金地金 |
数千円~1万数千円くらい |
純金積み立て |
1.5%~3%程度 |
投資信託 |
購入手数料+1%前後の信託報酬 |
例えば、金地金の購入では購入数量が少ないと購入手数料が数千円~1万数千円くらいかかります。
純金積み立てでは1.5%~3%程度の購入手数料が必要なのが一般的です。
投資信託では購入手数料だけでなく、1%前後の信託報酬も支払わなければなりません。
このような手数料を加味して利益を出せるように運用しなければならないのが金投資の注意点です。
金の投資方法はバラエティーが豊富になってきました。昔は金地金の売買しか金投資の方法がありませんでしたが、現在ではさまざまな金融商品が登場しています。
ここでは金投資の方法として代表的な5つを取り上げて概要を解説します。
金貨・金地金の購入・売却による金投資は最も歴史がある方法です。
金を実物資産として購入して、価値が高くなったら売却するというのが一般的な資産運用のやり方です。
金貨は金そのものの価値だけでなく、デザインや希少性による価値もあります。
デザインの魅力があるため、鑑賞用を兼ねて金貨に投資する人も大勢います。
一方、金地金は金そのものの価値を反映しているのが特徴で、金貨とは違ってデザインや希少価値による価値変動がない安定資産です。
金地金による金投資ではインゴットを購入するのが一般的でしたが、インゴットの一部をプール共有型金商品によって購入することもできるようになりました。
少額資金でも金地金による投資ができるようになってさらに注目を浴びるようになっています。
純金積み立ては毎月一定額あるいは一定数量ずつ金地金を購入する金投資です。金地金業者や証券会社などが提供しているサービスで、ドルコスト平均法による分散投資ができるのが特徴です。
純金積み立ては長期的に積み立てて老後資金を作りたいときに向いています。
ただ、購入のタイミングを自分で決められるわけではないため、たまたま金が高騰したタイミングで買うことになる場合もあります。
金相場は長期的に見ると伸びていることも考慮すると、初期に購入した金に比べて、後になってから購入した金の価格が高くなる可能性も高いでしょう。
たった今、まとまった資金がないけれど金投資を始めたいというときには適していますが、直接購入できる資金があるなら安いタイミングを狙って金地金を購入した方が投資利益を増やせるでしょう。
投資信託には金に関連する企業の株式や債券などに分散投資して、金相場と同じような価額推移になるように設計されているものがあります。
投資信託は少額でも始めやすく、積立投資もできるのが魅力です。
しかし、購入手数料や信託報酬の負担があるため、長期的に運用すると利幅が少なくなってしまうのがデメリットです。
金ETFは金の相場に基準価額が推移するようにしている上場投資信託です。上場しているので市場が開いているときならいつでも売買できます。
短期的な価格の上下動を見て、積極的に売買して利益を出すのには適している方法です。
ただ、売買の度に手数料がかかり、保有期間中は信託報酬の負担もあります。金ETFは手数料負担が大きい点に注意が必要です。
金先物取引は期日に金の売買をすることを予め決めておく約束型の取引です。現時点では価格と数量を決めておき、約束した期日が来た時点で売買をします。
たった今、資金があまりなくてもレバレッジをかけて大きな取引ができるのが特徴です。
ただ、想定よりも高い金価格で買うことになる場合もあるため、ハイリスクハイリターンの投資です。金投資の初心者は大きな失敗をするリスクがあるので避けた方が良いでしょう。
金投資には多様な選択肢がありますが、金の特徴を生かせるのは金貨・金地金による投資です。
1万円くらいから始められる状況になっていることも考慮すると、金投資を始めるなら金貨・金地金をおすすめします。
金貨も金地金も安全に保管することが重要なので、販売業者が金庫で管理してくれるサービスを選んだ方が良いでしょう。
ルミゴールドは金地金をプール共有型金商品として販売しています。金の保管を無料サービスで提供していて、プール共有型金商品によって少額での購入にも対応しています。
初めて金投資をするならルミゴールドがおすすめです。金の資産価値を生かしつつ、安全に運用できるルミゴールドのサービスをぜひ検討してみてください。