純金積立のメリット・デメリットは?

純金積立のメリット・デメリットは?

純金積立は金投資の方法としてよく注目されています。日本政府が長期積立投資を推進している影響もあって、積立投資の一種である純金積立も候補として考える人が増えました。

純金積立はどのようなメリットがあるのでしょうか。純金積立にはデメリットもあるので、総合的に特徴を理解して投資すべきかどうかを考えましょう。

純金積立による金投資とは?

純金積立は定期的に金を購入して積み立てていく投資方法です。地金商や証券会社などが提供しているサービスで、口座を開設すればすぐに始めることができます。

純金積立は一般的には毎月、ルールとして定めた量の金を購入していく仕組みになっています。積立投資をする方法は定額積立と定量積立に分けることが可能です。

定額積立

定額積立による純金積立は毎月同じ金額の金を購入して積み立てていく方法です。例えば、毎月5,000円と決めて購入していきます。金相場が変動したとしても、毎月積み立てをする金額には変化がありません。

1ヶ月目 2ヶ月目 3ヶ月目 合計
1kg当たりの
金価格

80,000円

65,000円

90,000円

購入数

62.5g

76.9g

55.6g

195g

投資金額

5,000円

5,000円

5,000円

15,000円

5,000円と決めたら、金相場が高騰しても5,000円分の金を毎月購入します。金相場が上がったときには購入する数量が少なくなり、金相場が下がったときには数量が多くなるのが特徴です。

定量積立

定量積立による純金積立は毎月同じ重さの金を購入して積み立てます。例えば、毎月100gを購入すると決めて積み立てていきます。

1kgの金価格が80,000円だったとしたら100gの購入にかかる費用は8,000円です。しかし、1kgの金価格が65,000円に下落したら、積み立てる金額は6,500円に減ります。
逆に金価格が1kgあたり90,000円になったら積み立てる金額は9,000円に増加します。

1ヶ月目 2ヶ月目 3ヶ月目 合計
1kg当たりの
金価格

80,000円

65,000円

90,000円

購入数

100g

100g

100g

300g

投資金額

8,000円

6,500円

9,000円

23,500円

ただ、定量積立では毎月同じ量の金地金を買い足して物的資産を増やすことが可能です。安定して物的資産の量を増やしていくことができる積立投資になっています。

純金積立のメリット

純金積立はメリットが大きいことから注目されています。純金積立によって資産運用をするメリットを見ていきましょう。

毎月少しずつ投資ができる

純金積立は少額の投資資金で毎月少しずつ積み立てていくことができるのがメリットです。

純金積立は1,000円くらいから積立を始められます。少額しか投資資金を確保できない人にとって魅力的な投資方法です。

資産状況に応じて投資額を変えられる

純金積立は資産状況に応じて自由に投資額を変更できる仕組みになっています。昇給によって収入が増えて余裕が生まれたときには、毎月の積立額を増やして運用することが可能です。

収入が減って困ったときに積立額を減らすことも、積立を中止することもできます。

投資の手間がかからない

純金積立は契約を済ませてしまえば手間がかかりません。毎月、指定日に同じ金額または数量の金を自動的に購入できるからです。

特に金額や数量の変更をしたいと思わない限りは、放っておくだけで積み立てていくことができます。

金価格の変動リスクを平均化できる

純金積立はドルコスト平均法による恩恵を受けるのがメリットです。毎月定額で金を購入することによって、購入価格を平均化できます。
平均的な価格で購入することができるため、購入のタイミングで一喜一憂する必要がありません。

ドルコスト平均法
ドルコスト平均法のイメージ

積み立てをしてきた期間の平均的な金額で買い付けできるので、長期的に見ると着実に相場価格が上がっている金なら、積み立てをすると資産を増やせると考えられます。

金の保管や管理の必要がない

純金積立は購入した金地金の保管や管理を自分でおこなう必要がないことが魅力です。純金積立では金地金のモノ単位で購入するわけではなく、金額や重量によって注文して買う仕組みになっています。

そのため、毎月の積立金額に合う金地金があるとは限りません。一定額に達したら金地金に交換できる仕組みが一般的で、現物への交換しない場合には業者に保管してもらえます。

現物資産として受け取ることもできる

純金積立をすると現物資産としての金地金も手に入れることが可能です。希望すれば積み立ててきた金額や数量に応じて希望の重量のインゴットを送ってもらえます。

現物資産として手元に置いておきたい人にとっては魅力的なサービスです。

スポット購入で買い増しができる

純金積立の多くのサービスではスポット購入をして買い増しできます。毎月定額や毎月定量の購入に追加して、自由に追加で金を購入できるサービスが多くなっています。

ボーナスで余剰資金ができたときに買ったり、金価格が急落を起こしたときに買い増ししたりすることが可能です。

純金積立は定期的な積立だけでなく、買い増しにも対応しているので資産形成を効率的に進められます。

長期運用で金資産のメリットを生かせる

金資産のメリットを生かして長期運用による利益を生み出しやすいのが純金積立のメリットです。金の相場は長期的には伸びてきています。金は相場が年々上がってきている資産です。

平均価格(円/g)
2023年9月

¥9,155

2022

¥7,649

2021

¥6,402

2020

¥6,122

2019

¥4,918

2018

¥4,543

2017

¥4,576

2016

¥4,396

2015

¥4,564

2014

¥4,340

2013

¥4,453

日々の変動では値上がりも値下がりも起こしていますが、長期的には資産価値が伸びています。純金積立でコツコツと積み立てていけば資産を着実に増やすことが可能です。

純金積立のデメリット

純金積立には資産運用をする上でデメリットもあります。純金積立をするデメリットを他の投資と比較しながら見ていきましょう。

手数料がかかる

純金積立は手数料負担があるのがデメリットです。純金積立の契約をすると会員になって年会費を払わなければならない場合があります。

また、毎月の購入のたびに購入手数料を支払う仕組みだったり、購入した金の量に応じて保管手数料の支払いが発生したりすることもあります。

金相場が上がったとしても手数料の負担によって相殺されてしまうこともあるので注意が必要です。

スポット購入のタイミングが難しい

純金積立は定期的な購入だけでなくスポット購入もできる場合が多いですが、いつどのくらいの金額の注文を出すべきかの判断は容易ではありません。

ドルコスト平均法のメリットを生かすには、あえてスポット購入をしない方が良いと考えることもできます。割安なタイミングで購入すれば利益になりますが、割高なタイミングで買ってしまうと利益を減らすことになるからです。

予定日の店頭小売価格での購入しかできない

純金積立では購入を予定している日の店頭小売価格による購入しかできないのがデメリットです。金の相場はリアルタイムで刻々と変化しています。

純金積立では購入価格と売却価格が一日一回だけ決められるのが一般的です。

店頭小売価格が確定した後に金相場が急変したとしても、売買価格に反映されません。

インカムゲインを得られない

純金積立をしてもインカムゲインは得られません。債券投資なら利息収入、株式投資なら配当金収入を得ることが可能です。

しかし、純金積立では金を購入して持つというだけなのでインカムゲインはありません。価格が上がったときに売却してキャピタルゲインを得ることが必要になります。

短期利益を得るのが難しい

純金積立は短期で利益を生み出すことは難しいのがデメリットです。基本的に純金積立は少額投資で少しずつ積み立てていく資産運用の方法です。
金の価格は通貨や株式などに比べると大きな変動が起こりにくいため、短期投資によるキャピタルゲインを得るのには向いていません。

純金積立ではまとまった資金で金を購入するわけではないので、大きな金相場の変動があったとしても大きな利益を得られることはあまりありません。

長期運用で利益を期待できますが、短期では大きな利益を得にくい性質があります。

現物資産として受け取るには費用がかかる

純金積立をして現物の金地金を受け取るときには費用がかかるのがデメリットです。業者から金地金を送ってもらうために配送料がかかります。

購入手数料や売却手数料の他にさらに手数料がかかる点には注意が必要です。配送料は数千円程度のことが多いですが、金の重量によってはもっと費用がかかる場合もあります。

関連記事

金購入には手数料がかかる!詳しく解説

元本保証はない

純金積立は積立預金と違って元本保証はありません。金は長期的には市場価値が上がっていますが、短期的には下がることもあります。金の価値がゼロになることはないでしょう。

購入時点の価格よりも相場が下がってしまい、元本よりも低い資産価値になることもあるのが注意点です。

資産が減ってしまっては生活に困るような場合には、定期預金などの元本保証がある投資を選んだ方が安全です。

流動性のリスクがある

純金積立は流動性のリスクがあるのがデメリットです。純金積立で購入してきた金の資産は現金が必要になったときには売却します。多くの金地金業者や証券会社では、預けたままにしている金については速やかに買取対応をしてくれます。

しかし、純金積立を通して購入した金の現物を引き出して送ってもらった場合には流動性が下がります。金の現物は比較的流動性が高い資産ですが、金の売却先の業者を探して営業時間中に店舗に持っていき、査定を受けて売買の取引契約をすることが必要です。

売りたいと思ったときにいつでもすぐに現金にできるとは限らないので注意しましょう。

まとめ

純金積立は少額から始めることが可能で、購入スケジュールを決めたら手間をかけずに投資を続けられるメリットがあります。金の価値は長期的には伸びているので、ドルコスト平均法を生かしてリスクの低い投資をおこなえることも魅力です。

ただ、純金積立は手数料負担があるのがデメリットです。購入価格が安いときになるとは限らず、スポット購入で買い増しをするときにもタイミングが悩みになります。

手間をかけずに少額から金投資をしたい人には純金積立が適しているでしょう。しかし、他にも金投資の方法があるので、比較して決めるのがおすすめです。

プール共有型金商品は少額から金投資ができるサービスです。流動性が高く、購入手数料や売却手数料などの負担もなくてシンプルな売買ができます。

純金積立に興味を持った人は、プール共有型金商品と比較して、自分の希望に合っている方を選ぶようにしましょう。

関連記事

プール共有型金商品のおすすめ業者の説明はこちら